Bill Evans “The Complete Riverside Recordings”
Jazzを聴く人でエヴァンスとマイルスを聴かない人は日本人ではまず皆無だろうと思われるが、その黄金期でもあるRiverside在籍時代のカンプリートボックスセット。
LPで18枚組、CDで12枚組、安くはありませんが、もちろん両方買いました。
CDは随分安くなったので、結構持っている人も多いかもしれませんが、すでに廃盤ですね。今後再発される可能性は高いでしょう。それくらい、特に日本人Jazzファンにとっては特別な存在と言っていいでしょう。
ビバップ以降のJazzピアノの方向を作ったと言える人です。
彼の演奏をフルコピーした楽譜にチャレンジしたのですが、もちろん弾けません。
それでも楽譜を眺めると、素人の僕にとっては聴いている時の優しい響きとは裏腹に複雑怪奇な和声が次から次へと連なっているのです。不自然とさえ思える和声も次のフレーズへと連なることで意味を持ち、自然な流れになっていく構造は独特で、アドリブ以前に深い研究の末に生まれたものだろうと推察されます。
音楽ジャンルを超えて彼の手法は和声の使い方の革命だったと思います。
未だに、これを超える美しい和声の使い方に出会ったことはありません。訳のわからない現代音楽の様に様式を壊すのは簡単ですが、様式美の最終形はエヴァンスの音楽だと思えます。
音楽の進化はどのジャンルにおいてもすでに全て出尽くしていると思うのです。
21世紀以降のミュージシャンは、どこに向かうのだろうとついつい考えてしまうのです。